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「え、え……?
でも先生もお見合いの席にいて、真実を映す眼鏡を持ってきてくれるって……
今だって、お披露目してくれるって……」
「ま、その流れに乗っておいた方が、より面白く君を観察できると思って」
まぁ、実はもう1つ、この流れに乗らなきゃいけなかった理由があるんだけど、君には教えて上げないよ、かぐや。
おっと。
この『事実をあえて伏せる』っていうのも、君の定義だと『嘘』に分類されるのかな?
「観察って……」
「かぐや、君、俺自身に興味を持ったことなんて一度もないでしょ?
俺だけじゃない。
他の家庭教師にもだ。
興味さえあれば、いくらでも気付けたはずなんだ。
俺が君の家庭教師を引き受けたわけも、君が呑気にトイガーと戯れることができた理由も。
今だから正直に言うけどさ、俺が君の家庭教師を引き受けて、週に一度とはいえ君に時間を割くのってさ、国家レベルの損失なんだよ?
科学の世界は日進月歩。
本音を言うと、月面人の居候なんかの地球オベンキョタイムに付き合っていられる暇なんてどこにもないんだ」
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