戦略(2)

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戦略(2)

賢一が目を覚ますと隣に理美はいなかった。 廊下に書斎の明かりが漏れている。 「まだやってるのか。」 「もう少しだから、今夜中に終わらせ ようと思って。今何時?」 「一時過ぎ。」 「目標二時。」 「今夜はもう終わりにしたら?」 賢一は理美の背後に立ち、耳元で囁いた。 「そんなところで囁かれたら何も出来 ない。」 「感じる?」 「うん。感じるから困る。」 理美が答えるより早く賢一は彼女の耳朶を 噛んだ。
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