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「それで、今日のお話というのは。
……若園製作所さんとの契約はいままで通りということと」
「はあ、やはり契約は打ち切り……。
えっ!?」
信じられないことを聞いた、とでもいうかのように明夫の顔が上がった。
ほかのふたりも聞き間違いじゃないのかと、顔を見合わせている。
そんな三人に押部はおかしそうに笑っている。
「ええ、契約はいままで通りで。
それと」
「それと」
神妙な顔になった明夫が、ごくりと音を立ててつばを飲み込む。
やはり、無理な注文が。
「今度、人工心臓の開発にも協力することに決まったんです。
奏林大の小木教授、ご存じですか?」
「ええ。
それが?」
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