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ばつの悪さの度合いは、環和にとっては誕生して二十三年という史上の記録を更新したかもしれない。 「だれなの?」 鋭く声が飛び、なお且つ批難ごうごうといった雰囲気でスタッフたちの視線が環和たちギャラリーのほうに向けられた。 云ったことを取り消そうという気はさらさらないけれど、面倒なことになりそうで環和は内心でため息をつく。 「わたしです」 云いながら顔の高さまで片手を上げると、犯人探しの第一声を放った取材者の女性がじろりと環和を睨(ネ)めつけた。
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