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目の前の青田が邪魔して、環和からは安西の姿が見えず、どんな様子で『その子』と発せられたのか判断がつかない。
取りようによっては分別のきかない子供だと云われているみたいで、そうだったら侮辱的だ。
「いいですよ。ほんと、おもしろそう」
もし提案したのが青田だったら、京香はこうもはしゃいだ声を出すだろうか。
意地悪なことを思いながら、環和は青田の返事を待った。
「京香ちゃんがいいならかまわないわ。どれほどのセンスか、見せてもらいましょうか」
青田は挑発的に云い、環和は、内心では、望むところだ、とけんか腰で応じながら――
「承知しました。少々お待ちくださいませ」
にっこりと営業スマイルを顔に貼りつけて一端(イッパシ)の店員を気取った。
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