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二月の終わり、店内は春先の軽やかな色彩で溢れている。
環和は京香が見向きもしなかったコーナーに行った。
フランス語から取ったブランド名のとおり、ミニョンは可愛さを演出する服がそろう。
かといって子供っぽいわけではなく、エレガントな雰囲気でありながら、ちょっとした瞬間に少女を感じさせるという、キュートさを兼ね備えたトータルコーディネイトを売りにしている。
京香は、喋り方はともかくとして、見かけが大人っぽいくせに、どのスタイルも可愛いだけでコーディネートを完結させていた。
だから滑稽なのだ。
環和は、定例句ではなく『少々』という言葉を実行するべく、直感を頼って次々に服を選んだ。
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