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「これでお願いします」 五分もかからず、京香の傍に戻っていた青田のところへ行き、環和は服を手渡した。 青田は預けられた服をちらりと見て、それから環和を見やる。 環和は何を云われるかとかまえたが、気に喰わなそうにじっと見つめただけで、 「京香ちゃん、行きましょう」 とフィッティングルームに京香を連れていった。 その姿を追いながら、環和はもとの場所へ戻るかどうかを迷う。 何かしらの感想はあるだろうし、あの青田の様子からすると文句をつけられることのほうが確率的に高そうだが、京香の反応は間近で見てみたいとも思う。 服が好きというだけの環和だが、それだけに気になる。
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