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環和はいまさらで、周りがもちろんふたりの会話を聞いていたのだと思い至る。 恥ずかしさなどない。 子供を扱うようにあしらわれたことに腹が立つ。 環和は密かに『スタジオ・ラハザ』と内心で唱えて脳裡に刻みこんだ。 そうしている間に京香が戻ってきた。 付き添う青田はまだ不機嫌そうだが、京香はイメージを壊したくないのか、にこにこして環和のほうにやってくる。 ハイライズでロング丈という広がらないスカートにライダースジャケットで引き締め、インのブラウスは、襟もとと袖口にたっぷりのフリルが使われてジャケットから覗く。 見立ては間違っていないはず。 少なくとも環和からは似合って見えた。
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