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当然ながらカメラマンは常に被写体に向かっているから、おおよそ見物してる側には背を向けている。
腰を落としたり前かがみになったり、いろんな体勢のなか、シャツをラフに着こなした背中は広くて、びくともしない安定感がある。
背は高く、シャツを捲って晒した腕もけっして細くない。
髪は緩やかにうねって、ざっくりと手櫛を入れた感じだ。
横顔を見れば凹凸がきれいだし、顎のラインも男っぽく骨張っていて悪くない。
斜め四十五度で少しうつむき、目を伏せていると、照明がもたらす陰影で完璧になる。
撮影は自然体が中心で、ポーズの指示はたまにしかない。
そのとき聞いた声は低めで艶っぽかった。
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