イベリス

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「あの、、、第3中学の山本くんですよね?」 引き継ぎ挨拶が終わって。 応接室を出て玄関まで見送りに出てきた時。 思い切って聞いてみた。 「...そうですけど」 それでも、気付いてくれない山本くん。 そうだよね、仕方ないよね。 中学1年で引っ越してきた山本くんと同じクラスになったのは、その1年だけで。 そこからは、同じクラスにもなっていないんだから。 話したことだって数えるくらいしかない。 ただ、私が一方的に好きだっただけ。 「同じ中学だった佐伯 七海です」 そう言っても思い出してくれない薄情な山本くん。 「なんだ、山本さんと佐伯さんは同級生だったのか?」 ...岡本課長に救われる。 「じゃあ、山本さんは溶接の飯田くんとも同級生ってことになのかな?」 岡本課長は、私と晴人が同級生だったことも知っている。
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