イベリス

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「へぇ、健志くんが」 さっそくお昼休憩で。 晴人のところに行って今日のことを話してみた。 「そうなんだよねぇ。山本くん、私のことは覚えてなかったのに、晴人のことは覚えてたよ」 自分で言うのもなんだけど、根に持つ私。 山本くんが、私のことはすっかり忘れていたのに、晴人のことは覚えていたことが本当にショックだったんだ。 「あはは。お前はいっときたりとも健志くんのこと忘れたことはないのに?」 ...え。 「七海、バレバレだから」 ...え。 「お前、好きだっただろ、健志くんのこと」 サラッと言ったよ、この人。 私は驚きで声も出ないって言うのに。 「はー???な、なんでっ」 あ、声出た。 「どーしたの、佐伯ちゃん。晴人に口説かれた?」 あ、声が大きすぎたらしい。 晴人の上司で、私のことを娘みたいって可愛がってくれている丸山 泰志(マルヤマヤスシ)さんに笑いながらそう言われる。
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