キク

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私と和泉はどんどん仲良くなって。 やがて和泉は、私に大我くんを紹介してくれた。 「はじめまして。東原 瑞恵です」 当たり前だけど、初めてだった。 友達に彼氏を紹介されるのは。 だから、嬉しかった。 なんとかいい印象をもってもらおうと、笑顔で挨拶した。 「...どうも。和泉がお世話になってます、下平 大我です」 あまりこっちを見ずにそう言った大我くん。 和泉みたいな子も初めてだったけど。 こんな男の人は始めてだ。 今まで、男の人は私のことをジロジロ見て。 そして、その後優しい声を出すんだ。 「大我くん!!もっと愛想よくしてよ、私の友達なんだから」 和泉はそんなことを言う。 「...元から俺はこんなんです」 こんなんだったから、最初は、大我くんにいい印象はなかった。 むしろ、なんで和泉はこんな人を好きなんだろうと思った。
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