キク

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だけど... いつの間にか... いつからかわからないけれど、いつの間にか... 好きになっていたんだ。 友達の彼氏のことを。 だけど、そんなこと言えるわけもなく。 やがて、大学を卒業して。 私は今の会社に入社して。 和泉と大我くんもそれぞれの会社に就職して、一緒に住み始めた。 それからは、連絡はとるものの、2人とはあまり会うことがなくなってしまった。 大我くんのことはすごく好きだった。 だけど、和泉との仲を邪魔しようとは思わなかった。 大我くんが和泉のことをすごく好きなのはわかっていたし。 和泉が大我くんのことをすごく好きなのもわかっていたし。 何より仲のいい2人がすごく好きだったから。 初めての報われない恋だった。 会社に入って。 仲良くなった同期の野々村 風香(ノノムラフウカ)。 彼女に言われた言葉。 「瑞恵はさ、自分のこと好きになってくれない人が気になっちゃうんじゃない?」
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