184人が本棚に入れています
本棚に追加
10分の休憩。
隣の布川くんは誰とも話していない。
ここは...何か話しかけるべき?
「あの...△△製作会社なら、湯川 智琉(ユカワサトル)課長さん、ご存知ですか?」
湯川課長は、よくうちに寄ってくれる管理課長さん。
優しくていつも笑顔のいい人だ。
「...知ってますけど」
布川くんは、こっちも見ることなくボソリとそう言った。
あれ...?
話しかけられたくない感じだった?
「湯川課長さんにはお世話になってるんですよ」
これでやめとこう。
無理に話をすることない。
話したくない人に話しかけても迷惑なだけだしね。
「あの、良かったら飴いかがですか?」
その時。
後ろの席の若い女の子が布川くんに話しかけた。
「ありがとう」
えぇ?!
驚きのあまり声が出そうだったのは...
布川くんが笑顔で飴を受け取ったから。
最初のコメントを投稿しよう!