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小学校6年生12月。
ぼくと5つ下のまだ1年生の弟は、両親に呼ばれた。
「母さんと父さんは別々に暮らすことになったんだ」
6年生、もう時期中学生になる俺は、両親の不仲に気付いていた。
だけど、まだ1年生だった弟には理解できなかったみたいで。
「いやだよ!!父さんも母さんも兄ちゃんも一緒がいい!! 」
そう言って泣いていた弟を慰めたのは...
父さんでも母さんでもなくて、俺だった。
「大丈夫。いい子にしてればまた会えるから。お前はついて行きたい方にいけばいいんだ」
いい子にしていても会えるかどうかわからないことくらいわかっていたけど。
こう言ってしまった俺は、弟にとってひどい兄ちゃんだろうか。
「お前達父さんについてこればうまいもんいっぱい食えるぞ。父さんの田舎はうまいもん多いからな。おもちゃだっていくらでも買ってやるぞ。じーちゃんもばーちゃんもお前達が大好きだからな」
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