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「お母さんについてこれば、引越しも転校もしなくていいのよ。これからもここに住めるんだから。今のお友達ともそのまま会えるし、あんたたち、こっちのおばあちゃん大好きでしょ?いつでも会えるわよ」
あとから考えてみれば、2人とも俺らを手放したくないと考えていてくれたということになる。
だけど、当時はそんなやりとりは、ただ鬱陶しいだけだった。
結局...
「僕、転校なんて嫌だよ!!」
その一言で弟は母さんについていくことになり。
「じゃあ、俺は父さんについていく。その方がバランスがいいだろ」
俺は父さんについていくことになった。
それからの俺は...
常にどこか冷めていた気がする。
だってそうだろ?
昔は仲の良かった家族だって、こんなに簡単に壊れたんだ。
人間関係なんて、簡単に壊れるもの。
だったら、そんなもの築くことに労力を使う必要なんてないだろ?
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