ホオズキ

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「あ、暗くならないで。円満離婚で、悲しい話じゃないから。一人息子とも、月に1度食事してうまくいってるし。元嫁と会っても今ではそれほど気まずくもない」 そっか。 横山くんもお父さんなんだ。 「あ、伊東と尾長。コレ」 横山くんが出したのは、名刺。 「家庭もかえりみず仕事した結果がこれです。良かったら、ご主人の服や靴を見立てますよ?」 そこにあったのは、有名なデパートの紳士服エリアチーフの文字が。 「えー、頑張ってるんだね、横山くん」 私の家から割と近いデパートで、何度も行ってるのに。 1度も会ったことがなかったな…。 そうか、蒼汰は自分で見立てるから、あんまり私は同行したことがないんだ。 もしかしたら、横山くんと蒼汰会ったことあるのかな、なんて考えたらなんだか不思議な感じだな。 「まぁ、今の俺にはこれしかないから。だから、この同窓会でも営業させてもらってます」
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