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「えー、間宮次長奢ってくれるんですかぁ?」
もう少し飲みたそうな湯川を急かしてレジへと向かう。
「…あぁ」
関わりたくない、この子と。
この子は危険だ。
普段は、飲みに行っても、湯川は飲んで俺は飲まないからと、先輩後輩ありつつも、いつも割り勘。
だけど、小嶋さんがいたらそうもいかない。
レジでお金を払っていると、横に小嶋さんが来て。
「間宮次長、気が変わったらいつでも言ってくださいね。私はいつでも大丈夫ですからね」
かわらないよ、気なんて。
「あ、間宮さんすみません。ご馳走様です」
なんで、俺なんだろう?
湯川の方がいいやつなのに。
いや、湯川が小嶋さんに騙されるみたいで、それはそれで忍びないかな。
「ふふふ、それじゃ、私は失礼します。ご馳走様でしたぁ」
嵐が去るように去っていった小嶋さん。
ほんの少し、唇に柔らかい感触を残して…。
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