ベゴニア

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「じゃあ、レクリエーション委員は、森川さんと下平くんで」 少し学校に慣れて。 ゴールデンウィークあけの5月中旬。 1年生はみんな仲良くなるためにとかいう名目の、レクリエーション合宿がある。 くじ引きでその委員になったのが、私と大我だった。 「…最悪」 ボソッとでも、少し離れた私にも聞こえるくらいの声でそう呟いた大我。 「和泉ちゃん、頑張れ!!」 高校に入って仲良くなった菊川 陽子(キクカワヨウコ)ちゃんにそう言われる。 「頑張りまーす」 中学生の頃からこういう委員をすることは嫌いじゃなかった。 だから、大我の最悪っていう言葉にはイラッとした。 確かに嫌かもしれないし、面倒かもしれないし、それって最悪かもしれない。 嫌いな人にとっては、本当に最悪かもしれない。 だからといって、それを口に出すのってどうなんだって思う。 それによって白けるじゃん?
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