カーネーション

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その後。 おじさんは、何事もなかったかのようにケーキを食べてコーヒーを飲んでいた。 …この器が社長さんなんだろうか。 おばさんは、楽しそうにケーキを食べながら笑っていた。 …おばさんはやっぱり昔からこの家の最強なんだ。 りょうくんは、ケーキもコーヒーも途中で自分の部屋に篭ってしまった。 …おばさんに気付かれていたことが余程ショックだったんだろう。 平良は、私の隣で上機嫌で大好物のショコラケーキを食べている。 …相変わらず、甘いケーキに甘いコーヒーというりょうくんいわく信じられない組み合わせを楽しんでいる。 そして、私は。 そんな平良を横目に、可愛いなんて思いながらも。 それでも、平然と大好きなモンブランのケーキを頬張る。 「あ、このモンブランすごく美味しい」 程よい甘さと、サクサクのメレンゲ。 すごく美味しかった。 「ほら、やっぱり可愛いのは麻弓ちゃんよ。りょうちゃんも、たいちゃんも、お父さんも無言だもの。やっぱり男はダメねぇ」
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