カーネーション

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「もしもし?麻弓、何してた?」 麻弓の話をしたら、麻弓の声を聞きたくなるなんてどうかしてる。 「ん?テレビ見てたよ。平良は?」 どうせ俺には理解できないようなテレビ見てるんだろうな。 俺と麻弓は昔から趣味趣向があわない。 「俺は、バンドメンバーと話してた。でさ、今度そっちの近くでライブやるから、麻弓も来いよ」 その日は、HIROの彼女の華子さんも、YOSHIの多分今1番の彼女の奏子ちゃんも、KARIの彼女の清子さんも来る。 麻弓が来たらみんな彼女が来るわけだ。 「みんなも麻弓に会いたがってるし」 清子さんは俺らの音楽に興味ないらしいから、悲しいけれど麻弓と話も合うかもしれない。 「うん、行く!!行っていいの?」 嬉しそうに言う麻弓のその声で、麻弓が喜んでいるのがもうわかる。 あぁ、もう可愛いな、この野郎。 なんてこと言わないけどな。
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