カキツバタ2

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私は自惚れていたのかもしれない。 芳樹は、相変わらず、女の子をとっかえひっかえしてるし、約束は破るし、記念日は忘れる。 それでも、変わった気がしていた。 女の子はとっかえひっかえだけど、その頻度は昔に比べれば減った気がしたし。 約束は破るけど、その頻度だって昔に比べれば減った気がしたし。 記念日だって、この間、芳樹から言ってくれたんだよ? 「今度のライブの前日、奏子誕生日だろ?」 それなのに!! それなのに!! …もうダメかもしれない。 この間、見てしまったんだ。 有名なジュエリーショップから、芳樹が出てきたところを。 その隣にはすっごくきれいな女の人がいた。 芳樹は、優しい。 だけど、ジュエリーは絶対にくれたことがなかった、この10年以上もの間、1度も。 それでも、いいと思っていた。 だって、私はそんなもののために芳樹といるわけじゃないんだから。
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