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私は自惚れていたのかもしれない。
芳樹は、相変わらず、女の子をとっかえひっかえしてるし、約束は破るし、記念日は忘れる。
それでも、変わった気がしていた。
女の子はとっかえひっかえだけど、その頻度は昔に比べれば減った気がしたし。
約束は破るけど、その頻度だって昔に比べれば減った気がしたし。
記念日だって、この間、芳樹から言ってくれたんだよ?
「今度のライブの前日、奏子誕生日だろ?」
それなのに!!
それなのに!!
…もうダメかもしれない。
この間、見てしまったんだ。
有名なジュエリーショップから、芳樹が出てきたところを。
その隣にはすっごくきれいな女の人がいた。
芳樹は、優しい。
だけど、ジュエリーは絶対にくれたことがなかった、この10年以上もの間、1度も。
それでも、いいと思っていた。
だって、私はそんなもののために芳樹といるわけじゃないんだから。
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