カキツバタ2

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《三崎川 奏子》 あれから、沈んだ気持ちで過ごした。 芳樹からは、連絡はない。 華子姉ちゃんのあの怒りようだと、絶対に芳樹のところに行ったと思うんだけど。 連絡がないということは、華子姉ちゃんが行っていないということなのだろうか。 それとも、私に言い訳することももう必要がなくなってしまったのだろうか。 怖くて私からは連絡できない。 そう思っていたとき。 「明日、夕方まではリハーサルなんだけど、それから時間ある?」 何事も無かったかのように芳樹から連絡が来た。 明日は私の誕生日だ。 「…あるけど」 まさかとは思うけど、誕生日にフラれるとかないよね? 明日は、幸せに過ごさせてくれるよね? 鬼畜だと言われている芳樹だけど。 そんなに酷いことをする人ではないと思う。 …多分。 「じゃあ、あとから俺のホテル教えるから、5時にそこに来て」
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