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《三崎川 奏子》
あれから、沈んだ気持ちで過ごした。
芳樹からは、連絡はない。
華子姉ちゃんのあの怒りようだと、絶対に芳樹のところに行ったと思うんだけど。
連絡がないということは、華子姉ちゃんが行っていないということなのだろうか。
それとも、私に言い訳することももう必要がなくなってしまったのだろうか。
怖くて私からは連絡できない。
そう思っていたとき。
「明日、夕方まではリハーサルなんだけど、それから時間ある?」
何事も無かったかのように芳樹から連絡が来た。
明日は私の誕生日だ。
「…あるけど」
まさかとは思うけど、誕生日にフラれるとかないよね?
明日は、幸せに過ごさせてくれるよね?
鬼畜だと言われている芳樹だけど。
そんなに酷いことをする人ではないと思う。
…多分。
「じゃあ、あとから俺のホテル教えるから、5時にそこに来て」
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