カキツバタ2

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「誕生日おめでとう、奏子」 もう一度そう言ってくれた芳樹は… 「これ、プレゼントだよ」 小さな箱をテーブルの上に置いた。 この箱って… テレビとかでよく見る箱だよね…? ジュエリーなのは間違いないと思う。 そして、ジュエリーの中でもブレスレットやネックレスにしては小さい。 「あけてもいい…?」 コクリと芳樹が頷いたのを見て。 あけると… その中には指輪が入っていた。 「サイズ、あってると思うけど。もし違ったとしたら、直してもらえるし」 芳樹から、ジュエリーをもらえる日が来るなんて思いもしなかった。 しかも、それが指輪なんて、そんなこと…考えたこともなかった。 私は芳樹がいてくれれば、それだけで良かった。 良かったけど… やっぱり嬉しい。 「…どうして?」 去年の誕生日は忘れられていたんだよ? それなのに、いきなり… 「どうしてって…奏子の誕生日だから」
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