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「誕生日おめでとう、奏子」
もう一度そう言ってくれた芳樹は…
「これ、プレゼントだよ」
小さな箱をテーブルの上に置いた。
この箱って…
テレビとかでよく見る箱だよね…?
ジュエリーなのは間違いないと思う。
そして、ジュエリーの中でもブレスレットやネックレスにしては小さい。
「あけてもいい…?」
コクリと芳樹が頷いたのを見て。
あけると…
その中には指輪が入っていた。
「サイズ、あってると思うけど。もし違ったとしたら、直してもらえるし」
芳樹から、ジュエリーをもらえる日が来るなんて思いもしなかった。
しかも、それが指輪なんて、そんなこと…考えたこともなかった。
私は芳樹がいてくれれば、それだけで良かった。
良かったけど…
やっぱり嬉しい。
「…どうして?」
去年の誕生日は忘れられていたんだよ?
それなのに、いきなり…
「どうしてって…奏子の誕生日だから」
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