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「あーあ、そんなに泣くなよ、奏子」
芳樹が涙を拭ってくれるけど。
私の涙は止まらない。
「だって…芳樹がそんなこと言ってくれるなんて思わなかったんだもん」
未来の約束なんていらないと思っていた。
今、隣に芳樹がいてくれればそれでいいと思っていた。
だけど。
いざ、約束をもらったらそれはものすごく幸せなことで。
「華子さんに奏子泣かせたら許さないって言われたんだよな…結局泣かせちゃったな…」
華子姉ちゃんの前では泣いちゃったもんね…。
あ、そういえば、あれって…
「ねぇ、芳樹、これ誰と買いに行ったの?」
あの時、この指輪を買ってくれたとしたら。
あの女の人は誰なんだろう。
「ん?あぁ、妹。早川 美咲。いつか奏子にも会わせるな」
妹?!
「母親一緒だけど、父親は違うから、10歳も離れてるけど」
10歳も離れてる?!
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