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「母さん、ただいま!!」
25年前、学校から帰ってきた俺が帰ってきた先は、家ではない。
「おかえり、一也。でも、もう少し静かにね」
母さんの言葉も半々にしか聞かずに俺が探したのは...
「ねぇ、侑也は?」
ここは、病院。
母さんは二日前、ここで弟の、岡本 侑也(オカモトユウヤ)を出産した。
「今、検診で新生児室にいるのよ」
侑也は、ちっさくて真っ赤な顔で、テレビで見た小猿みたいだ。
でも、すっげぇ可愛い。
「えー、いつ戻ってくるの、侑也」
ランドセルを置いて、手をきれいに洗って。
侑也を触る準備をする。
「んー、もう少しかしらね。新生児室、見に行く?」
侑也は、ちっせぇくせにすっげぇあったかいんだ。
それで、ちっせぇ手で俺の指をギュって握ってくる。
「うん!!」
俺は、病院が大嫌いだ。
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