スターチス

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「知ってるよ、昔から。一也は、私のことなんとも思ってないって」 そうだと知っていたなら... 言わないで欲しかったと言ったら、それはひどいことだとわかるから言わない。 でも、言わないで欲しかった。 「今まではね、一也の1番近くにいる女の子は私だったから、それでよかったの。でもね、これからは、一也の近くにいられないじゃない。だから、近くに行ける理由がほしくなったの。ねぇ、一也の近くにいさせてくれない?」 それでも... 言わないで欲しかったと思う俺はひどい男なのだろう。 「...ねぇ、一也。一也はどんな人ならいいの?」 返事をしない俺に、いい返事を期待できないと思ったのであろう。 質問をかえたチョコ。 ...どんな人? 思い浮かんだのは... いや、ないだろう。 ...思い浮かんだのが優恵ちゃんだなんて。 有り得ない。
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