イベリス

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好きになれる気がした。 山本という名前に悪い人はいない。 ...なんてね。 「佐伯さん、好きです」 何回目かのデート。 光琉に告白された。 「これからも、佐伯さんとこうして食事に行ったり、お出かけしたりしたいです。佐伯さんのこと、もっともっと知りたいし、佐伯さんに僕のことも知ってもらいたい」 まっすぐな目でそう言われたら、悪い気はしない。 「佐伯さん、僕とお付き合いしていただけませんか?」 正直な話、光琉といてもドキドキはしない。 だけど、光琉は温かくて優しくて。 穏やかな気持ちになれる、安心できる。 もしかしたら、こんな恋愛もありなのかもしれない。 「あの、、、よろしくお願いします」 この頃、呼び方は、佐伯さん、山本さんだった。 だけど、ある日。 「佐伯さん、そろそろ七海ちゃんって呼んでもいいかな?」
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