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「なんかあった？」
痴話喧嘩なら高校時代から散々見てきた。
どれもくだらない内容で、目玉焼きにかけるのは醤油かソースか、とかおにぎりの具は鮭か梅干しか、とか。
くだらない事でも本気で言い合える二人に憧れていた。
仲直り出来ると信じて疑ってないから、そんなどうでもいい事で喧嘩出来るんだ。
「俺、京都の大学受けるのは航汰さんがいるからだけど、じゃあその大学で何かしたい事あるのかって聞かれたら分かんないんです」
参考書に目を落としたまま、珍しくまともな事を言う本間。
コイツもそんな事考えるようになったんだな。
「航汰さんは弓道がしたくてそこを選んだけど、俺は別に大学で弓道したい訳じゃないんです。勿論、また航汰さんと一緒に弓道したいけどその為だけに大学選ぶとかはなくて……」
「つまり、西野以外の理由がなくて不安なのか？」
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