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パッと顔を上げて俺を見た本間は何だか泣きそうな表情をしていた。 受験勉強でストレスが溜まってるんだろう。今まで考えた事のなかった未来への不安が見えてきて怖くなったみたいだ。 「ただ航汰さんと一緒にいたいからってだけで大学を選ぶのは不純ですか?」 その問いに俺は首を横に振った。 マナが進路に悩んでいた時、俺と同じ大学を勧めたのには多少の不純な動機があったからだ。 本間が西野の為に大学を選ぶ事に俺は反対なんて出来ないし、するつもりもない。 それが本間のモチベーションになるのなら、余計に。 「マナにも言った事がある。やりたい事がまだ分からないなら、大学入ってから見つければいい。それにお前はちゃんと目的を持ってる。西野がお前の目的だろ?」 こんなに誰かの為に真っ直ぐ生きている奴は早々いない。 そこが誰も真似出来ない、本間の凄い所だ。
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