旅立ちまして

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 さて、洞窟に入ったはえぇねんけど。 「わーぉ」  わーぉ、わーぉ、……-ぉ、……ぉ、……。  とても、深いでーす。 「ここで寝泊まりするのん?」  ハスキ、犬でいいや。犬に聞くと頷かれた。  流石異世界知能が高い! 「……うん」  歩いたからか、お腹空いた。  魚は生で食えんし、いや食えるけど刺身やし。 「ナイフが欲しいね」  よく切れるナイフ、手首から指先まである片刃でカッコイイこんな感じの――。  カランカラン……。 「……」  今、カランと音がしました。何かが落ちてきました。とても振り返れません。  何が落ちた?振り返りたい、けれど振り返りたくない。  犬が何やらこちらを見ている、振り返れと?マジで? (……どうにでもなれ!)  バッ!と目を瞑って振り返れば何の音もない、そーっと目を開けると誰もいない。 「ん?」  不思議に思うと淡く光る物を見付けた、ナーイフ。
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