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「てっちゃん、まだ怒ってる?」
「怒ってないよ。」
「言い方が怒ってるじゃん。」
奈津子の言うとおり。俺はまだ怒りがおさまってはいなかった。
原因は、文化祭の催し物で、奈津子がメイドをやるというので、それに俺は腹を立てている。
「じゃあ、どうすればいいの?」
「どうもしなくていいよ。やればいいじゃん。」
「だって、てっちゃん、怒ってるんだもん。」
悪いのは俺。そんなことは分かっている。メイドを文化祭でやったところで、何かが変わるわけでもない。そんなことも分かっている。
ただ、「いいよ。」と素直に答えるのは、何だか納得がいかなかった。
ただそれだけ。
近所のファーストフード店。お互い家に帰って着替えて、待ち合わせ。2人の暗黙の了解。
2つのジュースと間にポテト。
これじゃ、今日はここで帰宅だな。
そんなことをボーッと考える。
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