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序章
無機質な廊下にはいくつもの扉が並んでいる。扉の横には電子掲示板が設えられ、いくつかの扉には赤くデジタルの数字が光っていた。
静まり返ったなか、廊下を歩く足音がやけに大きく響いている。当然だ。部屋は高い防音性を備えており、扉の中でなにが起きたとしても外に伝えることはないのだ。
黒く沈んでいた電子掲示板が点滅する。
そこには赤く「5」の数字。立ち止まり数秒、彼は迷うことなくその扉を開いた。
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