終章

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二人はシャッターがしまった店の前まで移動する。 「…刑事だからって皆が皆強いわけでもないさ。」 「…」 「俺だって六年ひきずってたわけだし。」 「それとは…」 「違うってか?…お前さんのモヤモヤってのは、山 下のことじゃないのか?」 「…。」 「お前さんは自分より相手の方が気になるタイプだからなぁ。」 「…よくわからなかったんですけど…そうだと思います。」 「私は山下さんの事凄く尊敬してましたし、一緒に仕事していて楽しかったんです。凄く女子からも人気があっていつも囲まれてました。」 「…お前はどうだったんだ?」 「好きでしたよ。でも恋人というか素敵なお兄さんみたいな感じでした。」 「素敵なお兄さんかぁ。」 「…私があのときに気づいていればこうはならなか ったのかなとか。ずっとモヤモヤしてるんだと思います。」 「そうだなぁ。かわってたかもな。」 「…」 「ただな、同情で好きだなんて言われるほど惨めなもんはないだろ。…特に男は、な。」 「…」 「ならいっそ、スッパリふってくれたほうが気持ちがいいかもな。」 「…そうですか。」 「まっ出てきたら、ほほでも一発叩いてやれ。強引な人は嫌いです!とかなんとか 言ってさ 。」 「…はい。なんだかすみませんでした。」 桜子はペコリと頭をさげ、その頭をクシャクシャと梶原がなでる。 「よしよし。まっこれも歳上としてのつとめな。」 「…彼氏として、じゃないですか?ここは。」 「お?そっそうか?」 「課長は彼氏としてもう少し強引なくらいがちょうどいいんですけどね。」 「おまえ、そう言うこと言うかぁ。なら課長じゃなくて名前で呼んでもらおうか?彼女として。」 「うっ………なんか今更名前でって…」 「ほれほれ、早く。」 「うぅ……げ…げんさん。なっ名前だけ呼ぶのってなんか変な感じです。」 「そうだな。でも嬉しい!」 「///」 「…二人の時はできるだけ、名前で呼ぶようにします。」 「言ってみるもんだな。じゃオレも二人の時は名前で呼ばせてもらおうかなぁ。なっ桜子。」 「///////////」 「おぉ耳まで真っ赤。」 「みっ見回り再開しましょう!!」 「照れかくしか?」 「ちっ違います!!ほら行きますよ!?」 「へいへい。」 --------終わり----------
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