ボーイ ミーツ ゴーストガール

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「でもこの病院に来たってことは、 この近くで死んだんじゃないの? この辺りに海はないけど」 明日香さんの疑問に、 わたしも首をかしげる。 確かに、傷だらけで水に濡れ、 変色してふくれあがったボビーさんの姿からは、水死しか考えられない。 でも明日香さんの言うように、 この病院は山の頂上にあって、 海はもちろん、溺れるような大きさの川や沼もないはずだ。 ボビーさんは、かたことの日本語でつぶやいた。 「お、ジさま」 「え?」 「オウジさまに、オシえてもらいマシた。 ホシの、オウジさま。知ってイマすか?」 ボビーさんが必死で語った話を要約すると、 目覚めたとき、 ボビーさんは見知らぬ海の砂浜にいた。 少し離れたところで、 十数人の男女が花火を振り回しながら騒いでいた。 年齢的には、わたしと同じくらい。 中学か、高校生といったところだろう。 派手な服装で、お酒も飲んでいたらしい。 その中に 『王子様』がいた。
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