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蒼さんが、別人のように鋭い目付きでわたしを見る。
「なっ、なんですか。
え何?
怖い怖い怖い怖いですっ」
機敏な動作で立ち上がると、大股でずんずんわたしに迫ってくる。
わたしは物置小屋の壁まで追い詰められた。
こっ、これは
噂に聞く、壁ドンというものなのでは…
あ、蒼さんの顔が、鼻にぶつかりそうなほど近くに…
「惚れた。
好き。付き合って」
「……はい?
ちょっと、何言ってるかわからないんですけど……」
「すっげぇ好き。大好き。
付き合って」
「耳は聞こえてますっ!
意味がわからないって言ってるんです!
そんな心臓に悪いこと
2回も言わないでくださいっ!!」
「え、心臓動いてんの?」
蒼さんがいきなり胸に手を伸ばしてきたので、わたしは悲鳴をあげて上に飛び上がった。
「おっ、すげ。さすが幽霊」
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