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マダム・ルイーズは浩也の腕を取って
部屋に引き入れた。
「おいしいキッシュがあるのよ。食べて
行って。」
彼女はダイニングテーブルに置かれた箱の
中からキッシュを二個取り分けて皿に
乗せた。そして、アイスコーヒーを置き、
浩也にその場所に座るように目配せした。
浩也がこのアパルトマンに住むように
なってもう四年目だ。一年目は一度も
日本に帰らなかった。二年目からは数カ月
おきに東京とパリを行き来するようになり、
日本に帰る際には鍵を預けることにした。
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