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旗色が悪くなってから一言も発しなく
なったありさは無言のまま一礼して部屋を
出て行った。離れた場所でドアが閉まる
音が響いた。
「あーあ。今頃泣いてるわよ。」
「構うもんか。俺は女に泣かれたって
一向に困らない。」
「西島くんは大勢の女の子を泣かせて来た
もんね。」
「そういう問題じゃない。」
浩也は気色ばんだ。
「そんな怖い顔しないでよ。今日はもう
終わりでしょ。部長は来てないし、工場も
誰もいないし。」
「そうだな。」
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