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「あ~。ここのフレーズはこうで…。で、…。被せる感じでいって、んー。あぁ、こっちは三人でハモるっと。…。…。あ!今いいの浮かんだ!」
あー。真夜中の作業はなんでこうも捗るんだろうか。変なアドレナリンがだだ漏れ?
五線譜にカリカリ書き込んでやっと思い通りの一曲が仕上がった。
「あー。取り敢えず、締切には間に合ったかな? ハァ、眠すぎ…。流石に疲れたかも…。あと少しやらなきゃいけない事あるのに、眠っ。濃いコーヒーでも飲むかな。」
と、椅子を立ち上がった記憶があるのに気が付いたらベッドの上で。
腹にはタオルケットが掛けてあって、そして隣には俺を抱き抱えて眠るルームメイトの陵がいた。
「…。俺、またやっちまったのか?」
全力で作曲するあまり寝食すら忘れがちになり気付くとベッドの上というシュチエーションを何度か繰り返していた。ほぼ常習犯と言っていいレベルだ。
床や廊下で行き倒れの人間のようにも寝ていたりするのを見兼ねた陵が俺をベッドに運んでいるようだ。その内過ちをおかしそうで怖い。
今は何も無いがその内やらかす可能性が高い。眠いあまり記憶がよく飛ぶ事がある。
何かしでかしてもおかしくはない。
多分、無理やりではなく合意のものでベッドになだれ込んでもわからない。その位記憶を飛ばしている。
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