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「そそる誘惑だな。だけど、俺は今のこのぬるま湯手放したくないんだけど?」
男女の垣根もなく気を遣うことのないこの曖昧な関係は居心地良すぎて抜けられない。のにもかかわらず、陵は俺の頬にその滑らかな指で撫でつけて言うにことかいて格言で口説きやがる。
「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える。って格言あるし!」
「……。俺、言ったよな? このぬるま湯手放したくないって。それでも、誘惑する気なんだ…。くすっ。じゃあ、乗ってやるよ。覚悟しろよ? 後悔しても遅いからな。」
「正解した?」
「…ああ。堪らなくなる。ねぇ、キスしていい?」
「え? ちょっと待って。」
「待たない…。覚悟したんだろ?」
艶めかしく陵に唇を寄せる。
チュッ。
まずは軽く触れるだけのバードキス。
チュッ。
二度目のキスは音を立てて。
久々だからなのか甘く感じるキスに自分自身が溺れてしまい、貪欲に貪るようなキスへとなった。壊したくない関係。そう思うと今物凄く禁忌を犯しているようで無駄に煽られる。
「あ。まっ…て。息が…。はぁ。あ。」
「もう黙って。」
キスだけなのにどうにかなりそうなんて…。
ホント堪らない。
理性が働かなくなって、いつの間にかベッドに組み敷いてひたすら陵の唇を貪った。
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