次の日

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次の日

大智は、再び公園へ訪れていた。 どうしても、あの子の存在が、気になって仕方なかった。 しかし、昨日と同じ。 何の手がかりも見つからなかった。 携帯を取り出し、時間を確認する。 もうこんな時間か、気づけば辺りが暗くなっていた。 さて、帰ろうとした時に。 大智は、公園の抜け道から繋がる森の方から、自分が呼ばれた気がした。 足を止め、抜け道を超え、森の入り口までたどり着く。 そこには、朽ち果てた看板が、あった。 奥には、茂み切った森が在った。 この森は、なんなのだろうか。明らかに、何年も人が通った形跡がなかった。 明日また此処へ来て、明るい内に調べに来よう。 そう思って再び携帯を取り出しライトで、道を照らした瞬間。 大智は、目を疑った。 そこに10代位の少年が、倒れていた。 大智は、慌てて少年の脈を測り、口に手を当てる。 なんとか息はしている。 大智は、少年を担ぎ病院へ向かおうと来た道を戻っていき 公園を出た時に、大智の目に昨日の男性が映った。 大智は、そのまま病院へと走った。 診察が終わって、医師が、大智に話しかけてきた。 命に別状がなく、今日にも退院は出来る。 ただ自分の名前、家族、家を思い出せない状態だそうだ。 大智は、少年がいる病室へ行き 少年に話しかける。 君の名前は?少年は、首をゆっくり横に振った。 君の家族は?少年は、再び横に首を振った。 大智は、余程この子がショックを受けて記憶を忘れてしまう程の事が起きたのか。 そして、その事件に恐らくあの男性が関わっているのでは、ないのか。 など、自分なりの推理をして。 警察に相談するものなのか。 この子の家族が心配してないのか。 などなど考えた結果。 母親に電話して、 身寄りが見つかるまで、自宅で引き取る事となった。 その事を少年に聞くと、 少年は、何故か嬉しそうに笑みを零し、頷いた。 病院を後にして、辺りを気にしながら、 大智は、少年を連れて 自宅へ辿り着いた。母親に改めて、説明して。 再び少年に、少し質問するもやはり何も思い出せず、 明日もう一回森へ行って見ようと思う。
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