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大智は、男性の異常さに、怖さを感じたが、負けじと腕を強く掴んだ。
「あいつはな。まだ世間に知れていない貴重な存在なんだ。」
「どうせ信じられないだろうがな。あいつは、人間じゃね。」
は?大智は、この男の発言、行動について違和感と、不気味さを感じた。
初めて見た時から感じていたあの不気味な感覚。
そして初めて見た狂ったような目。
そして「人間じゃね。」という発言。
大智が、戸惑っている間に、男性は、大智を振りほどき
転んだ大智の首元にナイフを突きつけた。
「これ以上、関わるんじゃねぇよ。あいつは、俺のもんだ。」
そう言い、男性は、抜け道の方へ走って行った。
大智は、怖さで、身体が動かなかった。
一瞬では、あったが本当に殺気を感じた。
そして、もう一つ。大智の中で、とある記憶が蘇り、とある疑問が頭を交錯していた。
あの少年は。
あの時、この場所で。
探していた友達とそっくりではないか。
何故今更思い出した。
確かめなくては、ならない。
それに。あの男性を止めなければあの少年が危ない。
大智は、震える身体を起こし、抜け道を抜け、森の入り口まで辿りついた。
そうだ。この場所は。
『必ずまた会えるよ』
あの時、あの子と別れた場所だ。
大智は、真実を探すべく森の中へ入っていく。
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