6日目(前編)

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大智は、男性の異常さに、怖さを感じたが、負けじと腕を強く掴んだ。 「あいつはな。まだ世間に知れていない貴重な存在なんだ。」 「どうせ信じられないだろうがな。あいつは、人間じゃね。」 は?大智は、この男の発言、行動について違和感と、不気味さを感じた。 初めて見た時から感じていたあの不気味な感覚。 そして初めて見た狂ったような目。 そして「人間じゃね。」という発言。 大智が、戸惑っている間に、男性は、大智を振りほどき 転んだ大智の首元にナイフを突きつけた。 「これ以上、関わるんじゃねぇよ。あいつは、俺のもんだ。」 そう言い、男性は、抜け道の方へ走って行った。 大智は、怖さで、身体が動かなかった。 一瞬では、あったが本当に殺気を感じた。 そして、もう一つ。大智の中で、とある記憶が蘇り、とある疑問が頭を交錯していた。 あの少年は。 あの時、この場所で。 探していた友達とそっくりではないか。 何故今更思い出した。 確かめなくては、ならない。 それに。あの男性を止めなければあの少年が危ない。 大智は、震える身体を起こし、抜け道を抜け、森の入り口まで辿りついた。 そうだ。この場所は。 『必ずまた会えるよ』 あの時、あの子と別れた場所だ。 大智は、真実を探すべく森の中へ入っていく。     
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