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...日目
あれは、まだ僕が幼い頃。
父さんの転勤で、引っ越した街を彷徨っていて辿り着いた。
公園で出会った不思議な友達 名前は、なんだっけな。
中学に進学して、高校生になって。
その子は、いなかった。
そして社会人となった僕は、再びこの公園へ訪れた。
それは、母さんのあの一言で、その友達を思い出したからだ。
「大智、同窓会のお誘い来てたわよ」
同窓会か、そう言えばあいつ等は、元気かな?
なんて考えていたら。「そういえば、あんたここに来た時ずっと遊んでた友達は、元気なの?」
友達?あぁ、翔太と敦彦なら元気だぞ?
「違うわよ、ほら。あんた引っ越して1週間ずっと遊んでたあの」
僕の脳裏の奥に締まった その"友達"
何故、あの子は、1週間で、僕の前から姿を消したのか。
今更では、あるが。
それを確かめに、あの子と初めて出会った公園へと訪れた。
何年振りだろうか。
この公園も、小学校の頃は、幾度と友達達とその時に流行った玩具でよく
集まって遊んだものだ。
見渡せば見渡すだけ、数々の思い出が蘇る。
あのブランコでは、翔太とよく靴飛ばしで、競い合ったな。
あのシーソーでは、よく海賊ごっこをしたものだ。
そういえば、この公園の奥に、森に繋がる抜け道が、あったっけな。
懐かしみつつ大智は、“あの子”の事を思い出すも、
中々思い出せない。
辺りも暗くなってきた、そろそろ帰ろうとしていたら。
40代位の男性に声をかけられた。
「何をしてるんだ?」
睨むように、こっちを見てくる。
いえ、何も。ただ懐かしくて寄っただけです。
「そうか」
ただ一言言うと、男性は、何かを探し始めた。
変なの。と大智は、その場を去った。
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