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「だったら平仮名で『すこっぷ』にしようぜ。その方がダサくてウケルし」
「いいね」「いいね」とバカ笑いしながら、バンド名を決めたのは1年前のことだ。あの時はなぜあんなに大爆笑していたのか……今となってはよく解らなかった。1年で大人になったと思うことにしよう。
「またバンド名から決めるはメンドイからさ、いいよ、すこっぷはすこっぷで」
ポールの声に、スグルは大きく頷いた。
「慣れ親しんでるしなー。そんで、おれららしさって何よ? オリジナル曲で勝負する?」
ポールが真面目顔で訊いてくる。
「いや、いずれって思ってるけど、まだおれらそんな技術ないよ。コピーはだいぶ仕上がってるからさ、変えるなら歌詞をオリジナルにしてみたら?」
チハルの提案に皆の顔が明るくなる。
「作詞ってことか?」
「何かカッコイイ」
オウスケとポールは乗り気だ。
「じゃあ、替え歌みたいな感じで、歌詞はオリジナルで行こう。じゃあさ、とりあえず、おれららしさを挙げてって、歌詞に生かそう」
スグルはボールペンを握ると紙に向かう。それから、4人の少年は「自分たちらしさ」について、語り合った。
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