すこっぷ

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 そして、待ちに待った文化祭がやって来た。夏休みの後半は、立て続けに台風が通り過ぎ、文化祭当日の天気も危ぶまれていたけれど、天気もスグルたちの味方をしてくれているらしい。見事に青空が澄み渡った。  スグルは他の3人とはクラスが別だった。クラスの催し物の順番が交代になると、急いで軽音部の部室である音楽室に向かった。  3人は既に集合していて、ステージ衣装に着替えを済ませていた。 「わるい、交代の奴がなかなか来なくて」 「全然大丈夫。つーか、ライブがなかったら、おれらの中学の文化祭なんてクソだよな」  集合時間に遅れたことを詫びるスグルに、チハルが答える。 「しょうがねぇだろ? 何年か前の先輩が食中毒起こして、食べ物全般禁止になったんだからよ」 「だからって研究発表の掲示って、ホント萎えるよなぁ。つまんねぇ、学校」  文句を言いながらポールはケースの中から、ベースを取り出した。 「だからおれらが、これから面白くするんだけどねー。練習時間はどれ位ある?」  制服を脱ぎ捨てて、スグルはビニール袋を漁る。ステージ衣装は夏休みに4人お揃いで、しまむらで調達していた。 「30分くらいは、3年生がおれたちの計画に協力的で助かったよ。トリにしてもらえたし。期待してるって言ってくれた」
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