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オウスケもポールもスグルの話に興味があるのか、体を向けて、聞き耳を立てた。
「おれ、最近、何か叔父さんが苦手でさ。クソ真面目な父さんと比べると、チャラチャラしてるしさ。今回のライブも来いって言われて、一応、バンド始める時、いらなくなった古いギターとか練習用のバンドスコアとか貰ったから、義理もあって断れなくて仕方なく行ったんだけどさ。叔父さんのライブを見て、思ったんだよね」
「何を?」
チハルが訊ねる。
「今はさ、音楽やってる人がたくさんいて、その中でデビューしている人がいて、売れる人がいる。ピラミットで、頂点が大御所アーティストだとすると、底辺にいる奴なんて、星の数程いて、叔父さんも底辺の一組なんだなって」
「そんなこと言ったら、中1からバンド始めて1年足らずのおれらは、底辺の底辺になるな」
オウスケがぼそりと呟いた。
「まあ、そうなんだけどね。そうなんだけど……叔父さんのライブはさ、やる気なさそうに見えて、かっちょいいロック奏でてますけど何か? みたいなさ、俺らの音楽聴けよ、お前らみたいな、押しつけを感じたんだよね」
「スグルの叔父さんって、俺的な音楽論ある人なんだっけ?」
ポールが訊ねた。
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