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「好きな人と一緒に暮らすのは、いいことだと思うわ。俊ちゃんはそうなるべきだと思う。でも」
「でも?」
「しばらくしたら、俊ちゃんはその人と結婚をして、もうしばらく結婚を辞めると思うわ」
優子は心から満足そうな顔をしてそう言った。決して俊ちゃんを馬鹿にしてる様子はなく、
まるで、はじめからそう決まっていると分かりきっているかのような、自信と誇りを持った表情だ。
「そんなこと、やってみないとわからないじゃないか。離婚しそうだと思ってたカップルがずっと上手いことやっていく事もある」
「わかるのよ」
「なんでそう言い切れるんだ」
「私と俊ちゃんは、ほとんど同じ部類の人間だから。お互い最も分かりあっている者同士だもの」
そう言うと、優子は煙草に火を着けた。愛煙家なのだ。
「向いてないのよ。結婚とかそういう事は」
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