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 明日海先生は怯えた目で私を見た、まるで今まで見たことのない生物を見た時のようだ。 「……そんなんだから、まだ未経験なのよ。クソ童貞め!」 「……今までこんなことしてくる『サラ』がいなかったんだよ!仕方がないだろ!」 「あー、もう、いたとしても絶対手出さないくせに」  明日海先生の顔にぐっと近づく。顔全体が赤くなって、唇はあわあわと震える。玉のような汗がどんどん流れ出ていく。 「だって、あなた、意気地なしなんだもん」  そんな先生の唇に自分のソレを押し付けようとすると、先生は「あ」と扉のほうを見てつぶやいた。  人影が小窓の向こうで揺れていた。 「……またこのパターン?」 ドアの向こうにいる人影……陽介と、目が合った。陽介は目を丸くさせている。 「……『アスモデウス』」  私はソファーから降りて、彼の『本当の名』を呼ぶ。  『彼』から煙が立ち込め、みるみる姿を変えていく。人と牛、羊の三つの頭を持つ化け物……『彼』の正体は、悪魔だ。 「はい、『サラ』」  アスモデウスと呼ばれた悪魔は煙を掴む、煙は槍となり、まっすぐ扉の向こうにいる陽介に向いた。陽介の瞳からは、怯えの色が浮かぶ 「……彼の記憶を、消しなさい」
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