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 伯父さんがぼやいていると、台所から陽介が『変な事言ってないで早く行けよ!』と声を張り上げていた。 「でもよ、今日の天文観察会。遅くなるなら俺が迎えに行くから、ちゃんと連絡しろよ」 「いっつもそんな事言って。……いざ学校まで迎えにきたらそのまま寝ちゃって、明日海先生に送ってもらってるの、誰だっけ?」  私たちが乗っていたバスがガソリンくさいガスを吐き出しながら、走り去っていった。同じ制服を着た子達がぞろぞろと学校に向かっている。高校は、私たちの家からはバスに乗って15分、歩いて8分くらい時間がかかる  本当は、陽介の足なら5分も経たずに学校にたどりつくことができるけれど、陽介は私に気遣ってとてもゆっくり歩くのだ。  私と陽介が通っている県立星が丘高校は、高台の中腹にある。その名前の通り、丘にあるのだ。高台のさらに上にある展望台に向かうには、ロープウェイに乗る必要がある。本当は展望台で観察会を開くのが一番いいのだけど、時間帯によっては運行が終わってしまうので、仕方なくいつも学校の屋上で天体望遠鏡をセットする。  観察会の度に、陽介は私を心配して学校に迎えに来るが……毎度、『屋上で眠りこける』のだ。 「……しょうがないだろ!星見るのなんてつまんねーし」  陽介は口をゆがませながら不貞腐れた。     
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