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追憶(2)
いつものように理美はマッサージしながら
賢一と話していた。
「それで再来年常勤講師になるって条件で
妥協したの?」
「ああ。だけど、潤の進級だけは保障
させた。」
「どうせなら卒業を確約してもらえば
良かったのに。」
「それまでに学長が変わらないとも限ら
ない。」
「そっか。何だかあなたの足元には教授
へのレールが敷かれてるみたい。」
「細川学長がいるうちだけさ。学長が
変われば口約束なんて反故にされる。
それで構わない。
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